現況
築40年であっても、大手のディベロッパーが設計施工した建物は、その後も定期的に大規模改修工事が行われているため、躯体の状態が大変良好で、まだまだ数十年の使用に充分耐えられそうです。
立地や共用部分の管理も申し分ない上、最新式のオートロックシステムの導入やエレベーターの交換など、セキュリティーや安全性の上でも満点の物件です。
問題はその間取りと設備の古さにありました。
現況図のように、和室が日当たりの良い南側を占領しているため、二つの部屋の入り口のふすまを閉めてしまうと、パブリックスペースであるLDKに全く日が差しません。
また、それぞれのスペースが小さく区切られ、全体の広さを実感できる場所がないのも魅力を落とす一因となっています。
そして最大の問題点は、収納にあります。
このプランでは、収納は二つの押入しかありません。建築当時は当たり前だった、置き家具での収納を前提にしていて、和室もLDKも、壁際にずらりと箪笥などの家具を並べて使用してこられたものと思われます。